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倉田 有司; 橘 勝美; 鈴木 富男
日本金属学会誌, 65(4), p.262 - 265, 2001/04
熱化学水素製造プロセス(ISプロセス)では、腐食性の強いハロゲン及び硫酸を取り扱う。そのため、材料の機械的特性に及ぼす腐食の影響を調べることが必要である。本研究では、850の硫酸分解ガス環境において1000hの高温腐食を行った材料を用いて、高温引張特性に及ぼす腐食の影響を評価した。腐食試験装置にNガスと95%HSO(0.01mol/min)を流し、850で1000h、アロイ800H、ハステロイXR、インコネル600の強度試験片及び腐食試験片(短冊形及びU字曲げ)の高温腐食を行った。腐食は、表面腐食膜の形成、内部酸化と硫化からなる粒界侵食によって進行した。850での高温引張試験では、腐食後の材料の0.2%耐力、引張強さは、受入材の80%以上の値を示した。また、破断伸び、絞りも50%以上であることから、腐食による高温引張特性の著しい劣化は認められなかった。